ひとり社長の最大の試練は税金よりも社会保険かも知れない

会社設立

個人事業主から法人成りするときには税金だけでなく、社会保険料のことも考えておきましょう。

社会保険加入は逃れられない

会社は社会保険(健康保険と厚生年金)の加入が義務です。
資本金額や売上金額は関係ありませんし、社長1人だけの会社でも加入することになっています。

義務といいつつ、昔は有名無実で加入しなくてもなにも言われませんでした。
ただ、最近は年金事務所も加入させるようかなり力を入れています。

案内が来ていたら「無視しても大丈夫!!」と思わず必ず中身を確認しましょう。
無視し続けると最悪、2年前まで遡って強制加入させられます。

社会保険料を払うの誰?

社会保険料は給与を受けた人と会社、それぞれで負担します。

給与を受ける人の負担分はを給与から社会保険料控除として天引きします。
(従業員だけでなく役員も同じです。)

そして給与から天引きした分に会社負担分を上乗せして、会社から年金事務所へ支払います。
通常、給与を受けた人と会社は同額を負担します。
(厳密には拠出金分だけ会社負担が多いですが)

ですので、ひとり社長の場合自分の給与から引かれて、同じ額を会社も負担するので二重で負担する感じがします。

具体的にどれくらい違うの?

法人成りして社会保険がかかるとどれくらいの負担があるのか。

例を使ってみていきます。
ここでは個人事業主をしているAさんの事業所得が200万円と仮定します。

個人事業主の場合の負担

事業所得が200万円だと、税金が約12万円、国民健康保険と国民年金の合計が約32万円になります。
あわせて44万円ほどの負担です。

青色申告をすれば65万円控除がありますし、国民年金を払えば約16,000円の12カ月で192,000円です。
また、所得税の基礎控除も38万円があります。

ですので、毎日の記帳と国民年金の納付さえちゃんとしていれば特別なことをしなくてもあわせて122万円ほど所得を減らせます。

では次にAさんが法人成りした場合の負担を確認します。

法人成りした場合の負担

Aさんが法人成りをして、株式会社Aをつくりました。
利益が200万円でそこから社長Aさんが役員報酬を受け取ると税金が9万円、社会保険料が約27万円になります。
社長Aさんの負担は、あわせて36万円ほどになります。

なお、社会保険は会社も従業員と同じ金額を負担しましたね。
なので、Aさんが負担した社会保険料27万円は会社も負担します。

また、利益がなくても法人住民税税金7万円が最低かかります。
これらをすべて合計すると約70(=27+36+27+7)万円の負担です。

法人成りすると負担が多くなる場合もある

上記を比較すると法人成りしたほうが(70万円)、個人事業主のまま(44万円)よりも約1.6倍負担が多くなります。

このように事業の利益によっては、法人なりすると不利になるケースがあります。

有利だけど安易な法人成りは損

売り上げが1,000万円を超えると消費税の面から法人成りを検討する必要性が出てきます。
また、個人では使えない、会社にすることで使える節税策があります。

ただし、利益が100万円とか何十万の段階であれば社会保険料の負担が重くなるので、急いで法人成りしないほうが良いでしょう。
(どちらが有利かを判断するためにも、日々会計データを把握することが大切です)

まとめ

法人成りするかを検討するときは必ず社会保険料を考慮するようにしましょう。

なお、法人成りの相談は誰にするか気をつけてください。
利益の予測額を聞かなかったり、社会保険料の説明もしないで「絶対に法人成りしたほうがお得だからすぐに会社つくろう。」という場合には注意しましょう。
「得する」主語が「あなた」ではないかもしれませんので。
(結果的にあなたも得するかもしれませんが、たまたま結果オーライだっただけです。)

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