確定申告時期の忙しさは分散、前倒ししたい

確定申告時期の忙しさは分散、前倒ししたい

税理士業界にとって確定申告時期は忙しいものです。
とはいえ、業界の常識に流されるのでなく抗い、考え方や少しの工夫でこの時期の繁忙期を無くすのも可能です。

 

「確定申告時期は忙しい」という定めに抗う

税理士業界にとってこの時期を個人のお客さまの確定申告業務があり、「書き入れ時」なんて言われています。

(ちなみに「書き入れ時」という言葉。
個人的には、売上や利益ばかりにフォーカスしてる印象があって苦手です。
スラングとして使うことはありますが、かしこまった場で使うのはちょっとな、という感じです。)

確定申告業務のおかげで売上が増えるわけですが、必然的にお仕事量も増えるので「繁忙期」でもあります。

この時期が繁忙期になるのは、税理士業界では当たり前、定めのようになっています。

1月末までに法定調書や償却資産税、遅めの年末調整を終わらせ、2月に入ってからやっと確定申告に取り掛かる、という事務所もあるかと。
なんなら確定申告の連絡や資料の催促が2月に入ってからということもあるかもしれませんね。

 

私は仕事が一気に集中するのが苦手なので、できることは前倒しすることで出来るだけ分散させたいと思っています。

確定申告業務であれば早めに資料をいただくようにしています。

資料が揃ったお客様から順次対応していけば、前のお客様が終わったころに次のかたの資料が揃っていたりします。
なので次はそちらを、という具合でやっていくと負担が分散し、かつ、期限まで余裕をもって申告できます。

 

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年内には一度様子を伺っておく

負担を分散しつつ、余裕をもって申告するために資料が早めに揃っていることが大切です。

そのため、少なくとも12月中にはお客様に一度状況のお伺いも兼ねてご連絡しています
「1月中に資料をいただけるとお互いプラスになりますので、ぜひ」と添えつつ。

資料をいただくのが遅くなると、その分申告書が出来上がるのも後ろ倒しになってしまうわけです。
それこそ税金計算が終わるのが申告期限ぎりぎりになってしまうことも。
特に事業所得があるお客さまだと昨年の数字を3月中旬に伝えても意味あるかな、とも思いますし。

それと、意外に多い「納付期限直前の突然納付書を送り付ける」税理士にはなりたくないですし。
お客さまにとっても大迷惑でしょうし。
ですのでお互いに早めに申告できるのは良いことかと。

 

おかげさまで今年は(そもそも案件が多くないのですが)すでにほとんどのお客さまの申告が終わりました。

なお、早く申告するのは、繁忙期を作らないという面もありますし、私が申告期限ぎりぎりに仕事をしたくないというのもあります。
来週までに、明日までに申告しないと、と思って仕事していると精神衛生上よくありません。
仕事以外の日常生活にも影響しますし。

 

駆け込みの依頼はどうするか

申告期限ぎりぎりに駆け込みで税理士に依頼するという人は一定数いらっしゃいます。

私も夏休みの宿題はぎりぎりまで手をつけなかったタイプ(特に小学生のときは絵日記とかは、天気覚えていないので毎年絶望してました。当時はネットで過去の天気調べるなんてでないし、)なので気持ちはわかります。

さておき。

こういった駆け込みのご依頼をお受けするか。
既述のとおり、今年の確定申告業務はほぼ終わっていますので対応も可能です。
また、税理士の社会的意義を考えてもお受けできる体制にはしています。

 

ですが、ひとりで仕事をしている以上、許容できる業務量はあるので案件によっては難しいところもあります。

特にこの時期駆け込み案件は、
・全然資料が揃っていない可能性が高い
・ミスマッチの可能性が高い

私の夏休みの宿題然り、期限が前から分かっている確定申告に向けて準備をしていなかったからこその駆け込み依頼です。
そういったケースだと資料が揃っていない、経理が終わっていない、という可能性は(わが身を振り返っても)高いでしょう。
期限が差し迫った状況でマンパワーを投入するしかない案件はどうしても対応が難しくなります。

また、期限までに申告しないといけないので、とにかく税理士なら誰でもいい、ケースもあります。
そうすると色々とミスマッチがありお互いに良い結果にならないことが多いかと。

 

お勤めの立場なりにできることも

私は、独立しているので上記のようなことを自分で好き勝手決めてやっています。

これがお勤めの立場だと、自分の判断で駆け込みを受けない判断はできないでしょう。
経営者の立場なら駆け込み案件があれば取るのが普通かなと。
お仕事があるなら取りますし、従業員には同じ給与を払うならたくさん仕事をしてもらいたいですから。

なお、ここでは経営者が悪で、独立したほうが絶対いい、ということではなく仕事のハンドリングのしやすさの比較として。

自分で自由にやりたいなら独立したほうが間違いなくやりやすいです。
一方でお勤めしても裁量権を持てるケースもあるでしょう。
独立してひとりでやるよりも、接する仕事の量や質、社会的立場が安定しているのは間違いないです。
裁量があまりなくても資料の催促だけは年内にしておくなど打つ手はあるので、できる範囲でやると後々効いてくるかなと。

 


【編集後記】
冬季五輪が終わりと思ったら、国内ではJリーグの新シーズンが開幕。
今年はワールドカップ予選や本選があるので、Jリーグも例年より前倒しで開幕です。
今回もDAZNの年間契約をして観戦します。
値上げする新料金になる前に契約しましたが、約1.5倍の値上げなので来年は契約するか悩みどころです。